「計算問題が苦手すぎて、もう捨てようかな…」
そう思っている薬学生は少なくないと思います。私もそうでした。薬物動態の計算式を見るたびに頭が止まって、「これは本番でも捨てていいか」と本気で考えていた時期がありました。
でも実際には、捨てませんでした。10月頃から「薬学生のための計算問題集」を1単元ずつ進め、少しずつ苦手意識を薄らがせていきました。本番では計算問題でも得点できたと感じています。
この記事では、第110回薬剤師国家試験で273点(345点満点)を取得した私・すんすんはんが、計算問題の苦手を克服するために実践したことを具体的に紹介します。
こんな悩みがある方向けの記事です。
- 計算問題が苦手で、どこから手をつければいいかわからない
- 公式は覚えたけど、本番で使えるか不安
- 計算問題を捨てようか迷っている
- 計算問題集を1単元ずつ進める方法を知りたい
この記事を読むとわかること:
- ✅ 計算問題を捨ててはいけない理由
- ✅ 公式の覚え方と途中式に単位を書くメリット
- ✅ 私が10月から実践した1単元ずつの進め方
- ✅ やってはいけない計算問題の勉強法
- ✅ 今日から始められる6ステップ
結論からいうと、計算問題は公式の意味と単位を確認しながら問題を解き、1単元ずつ進めることで、苦手分野の補強につなげられます。
勉強スケジュール全体を確認したい方は薬剤師国家試験の勉強スケジュール完全版にまとめています。
はじめに:計算問題が苦手な人ほど、捨てようとする
薬剤師国家試験の計算問題は、苦手な人ほど「捨て科目」にしようとします。その気持ちはよくわかります。薬物動態の計算式は記号が多く、初見では何をどうすればいいか見えにくいです。
でも少しずつ触れていくと、計算問題は「公式を覚えて、単位を整理すれば解ける」ということがわかってきます。複雑に見えても、実は型が決まっている問題が多いです。
私が計算問題を本格的に始めたのは10月頃です。遅いスタートでしたが、1単元ずつ進めたことで、苦手意識が少しずつ消えていきました。
第1章:薬剤師国家試験の計算問題は捨ててはいけない
計算問題は苦手でも伸ばしやすい
計算問題は、暗記分野と比べて「練習すれば伸びやすい」という特徴があります。
暗記系の問題は覚える量が多く、忘れると得点に直結します。でも計算問題は、正しい公式と解き方の手順さえ身につければ、同じパターンの問題を安定して解けるようになります。型を覚えれば再現性が高いのが、計算問題の強みです。
捨てると本番で選択肢が狭まる
薬剤師国家試験では、計算問題は必須・理論・実践すべての領域に散らばって出題されます。捨てるということは、それらの問題をすべて勘で答えるということです。
「どうせ計算問題は難しい」と決めつけてしまうと、解けるはずだった問題も諦めることになります。少し練習しておくだけで、本番で「これは解ける」と感じる問題が増えます。
配点は大きくなくても、取れると安心材料になる
計算問題の配点が飛び抜けて高いわけではありません。でも、苦手だと思っていた問題が解けたとき、本番での精神的な安定につながります。「計算問題もいける」という感覚は、試験中の自信にもなります。
第2章:まず公式を完璧に覚える
公式を覚えずに解くのは危険
計算問題の最初のステップは、公式を完璧に覚えることです。これがないと、問題文を読んでも式を立てられません。
私は最初に公式を丸ごと覚えることを最優先にしました。意味がわからなくても、まず暗記してから理解を深める順番で進めました。
「なんとなく」で解くと本番で崩れる
「この問題は前にやった気がする」という感覚で解くと、本番のプレッシャーで式が思い出せなくなります。公式をはっきり言えるレベルまで覚えておくと、初見の問題設定でも対応できます。
公式は自作ノートや暗記カードで反復する
公式を覚えるには、書いて・使って・繰り返すことが有効です。私は自作ノートに公式をまとめて、計算問題を解く際に見直していました。
自作ノートの作り方は自作問題勉強法にまとめています。
第3章:途中式には必ず単位を書く
単位を書くと掛け算か割り算かが見える
計算問題を解くとき、途中式に単位まで書くことを強くおすすめします。単位を書くことで、掛け算か割り算かを自然に判断できるようになります。
「式の組み立て方がわからない」という人の多くは、単位を無視して数字だけで考えています。単位を丁寧に書くことで、式の構造が見えてきます。
単位で式を組み立てる具体例
実際に例を見てみましょう。
例1:血中濃度を求める問題
「体重60kgの患者に薬物300mgを静脈内投与した。分布容積Vdが50Lのとき、投与直後の血中濃度Cはいくらか。」
求めたいのは C(mg/L)です。
C(mg/L)= 投与量(mg)÷ Vd(L)
= 300(mg)÷ 50(L)
= 6 mg/L
単位を見ると「mg ÷ L = mg/L」となり、答えの単位と一致します。掛け算か割り算かを迷ったとき、単位を確認すれば自然と式の形が決まります。
※今回は分布容積Vdがすでに50Lと与えられているため、体重60kgは計算には使いません。
例2:腎クリアランスを求める問題
「尿中累積排泄量Aeが60mg、AUCが20 mg・h/Lのとき、腎クリアランスCLrはいくらか。」
求めたいのは CLr(L/h)です。
CLr(L/h)= Ae(mg)÷ AUC(mg・h/L)
= 60(mg)÷ 20(mg・h/L)
= 60(mg)× L/ 20(mg・h)
= 3 L/h
単位を分解すると「mg ÷(mg・h/L)= L/h」となり、クリアランスの単位と一致します。この確認が、暗算で進めたときのミスを防いでくれます。
例3:半減期を求める問題
「消失速度定数 ke が 0.1 h⁻¹ のとき、この薬物の半減期はいくらか。」
t½(h)= 0.693 ÷ ke(h⁻¹)
= 0.693 ÷ 0.1(1/h)
= 6.93 h
単位は「1 ÷(1/h)= h」となり、時間の単位に一致します。公式の「0.693」という数字だけ覚えていれば、単位から式の向きが確認できます。
暗算で解こうとするとミスが増える
計算問題の失点の多くは、計算ミスではなく「式の組み立てミス」です。途中式を省略して暗算で進めると、どこで間違えたかも気づきにくくなります。
時間がかかっても、必ず途中式を書く習慣をつけてください。単位を書くことが、式の間違いを自分でチェックする手段にもなります。
第4章:計算問題集を1単元ずつ進める
私は10月頃から始めた
私が計算問題を本格的に始めたのは10月頃です。それまでは回数別や理論問題を中心に進めていたため、計算問題は後回しになっていました。
同じ10月から進めていた実践問題のほうは、【10〜12月編】実践問題対策にまとめています。
「今から継続して大量にやるのは無理だ」と思ったので、取り組む範囲を1単元ずつに区切って進めることにしました。
使用教材は薬ゼミ「薬学生のための計算問題集」
使用したのは薬ゼミの「薬学生のための計算問題集」です。計算問題に特化していて、公式の整理・例題・練習問題がまとまっています。公式の整理・例題・練習問題を単元ごとに確認できる構成でした。
1単元ずつ進めた理由
計算問題が苦手な状態で、一度に広い範囲を進めようとすると手が止まりやすかったため、取り組む範囲を1単元ずつに区切りました。
その単元で使う公式と解き方を問題ごとに確認し、分からなかった内容は解説や自作問題ノートで復習しました。
勉強の中心は回数別既出問題集の実践問題で、計算問題集は苦手分野を補う教材として使っています。
1単元ずつ区切って進めた
一度に全部を終わらせようとせず、単元ごとに区切ることで、今確認する範囲を明確にしました。
解けなかった問題を放置せず、解説を確認してから次へ進みました。
習慣化すると苦手意識が薄くなる
単元ごとに問題へ取り組むことで、公式をどの場面で使うのかを確認しました。
私は、1単元ずつ問題に触れたことが苦手分野の補強につながったと感じています。
第5章:計算問題でやってはいけないこと
❌ 公式を覚えずに解こうとする
公式が頭に入っていない状態で問題を解こうとすると、毎回「たぶんこうだったかな」という推測になります。推測で解いた問題は、本番で再現できません。公式を覚えることが最初のステップです。
❌ 途中式を書かずに暗算で解く
暗算で解くと、どこで間違えたかわかりません。途中式を書くことで、自分のミスのパターンが見えてきます。時間が少し余計にかかっても、必ず書く習慣をつけてください。
❌ 計算問題を捨てる
計算問題は型が決まっているため、練習次第で伸ばしやすい分野です。捨てると安定した得点源を手放すことになります。1単元ずつでも、解説を確認しながら進めることで苦手の補強につながります。
❌ わからないまま放置する
解けなかった問題をそのままにしておくと、同じ問題に次に出会ったときも解けません。わからなかった問題は自作ノートに残し、後日もう一度解き直してください。
❌ まとめて一気にやろうとする
計算問題を一度にまとめて終わらせようとすると、私には負担が大きくなりました。1単元ずつ区切り、分からない問題を確認しながら進める方が取り組みやすかったです。
第6章:計算問題が苦手な人のおすすめ勉強ステップ
今日からすぐに動けるよう、具体的なステップをまとめます。
ステップ1:公式を覚える
まず計算問題で使う公式をリストアップして、暗記します。意味がわからなくても、まず覚えることを優先してください。
ステップ2:例題で使い方を確認する
公式を覚えたら、例題を解いて使い方を確認します。このとき、必ず単位まで書いて解いてください。
ステップ3:1単元ずつ進める
計算問題集を用意して、1回に1単元ずつ進めます。解けなかった問題は解説を確認し、必要に応じて自作問題ノートへ残します。
ステップ4:間違えた問題は自作ノートに残す
解けなかった問題は自作ノートに記録します。公式・途中式・間違えた原因を書いておくと、復習のときに役立ちます。
ステップ5:1週間後に解き直す
ノートに残した問題を1週間後に再度解いてみてください。解ければ定着しています。解けなければ、もう一度自作ノートに追記して次の復習に備えます。
ステップ6:回数別でも計算問題を解く
ルーティンが定着してきたら、回数別既出問題集の計算問題も解き始めます。計算問題集で練習した知識を、実際の試験形式で確認できます。
使用教材
私が計算問題の対策に使った教材を紹介します。
薬ゼミ「薬学生のための計算問題集」
計算問題専用の問題集です。公式の整理・例題・練習問題がまとまっています。公式の整理から練習問題まで単元ごとに確認できる構成です。
回数別既出問題集
必須から実践まで全領域の過去問が収録されています。計算問題も含まれているため、問題集で練習した後の仕上げとして活用しました。
青本
計算問題の背景にある薬物動態の理論を確認するために使いました。公式の意味がわからないときだけ開く、辞書として使うスタイルが合っていました。
参考書全体のおすすめは参考書・問題集ランキングにまとめています。
よくある質問
Q1. 計算問題はいつから始めればいいですか?
早いほど良いですが、私は10月頃から1単元ずつ進めました。苦手な人は後回しにせず、少量でも早めに触れ始めることをおすすめします。
Q2. 計算問題は捨ててもいいですか?
捨てない方がいいです。計算問題は型が決まっているため、練習すれば伸ばしやすい分野です。私は1単元ずつ進め、計算問題を捨てずに対策しました。
Q3. 公式は暗記した方がいいですか?
はい。公式を覚えていないと、問題文を読んでも式を立てられません。意味がわからなくても、まず公式を完璧に覚えることから始めてください。
Q4. 途中式は書いた方がいいですか?
必ず書いた方がいいです。特に単位まで書くと、掛け算か割り算かが自然に見えてきます。暗算で進めると式の組み立てミスに気づきにくくなります。
Q5. どの教材を使いましたか?
薬ゼミの「薬学生のための計算問題集」を使いました。単元ごとに進めやすく、公式の整理から練習問題まで一冊でまとまっています。
この記事のまとめ
- 計算問題は捨てない。型が決まっているので練習すれば伸ばしやすい
- まず公式を完璧に覚えることが最初のステップ
- 途中式には単位まで書く。単位が合えば式の向きが確認できる
- 10月から1単元ずつ進め、苦手分野を補強した
- わからない問題は放置せず、自作ノートに残して1週間後に解き直す
計算問題は「苦手だから捨てる」ではなく、「少しずつ触れて慣れる」という発想の転換が大切です。今日の1単元が、本番の1点につながることを信じて続けてください。
この記事では、計算問題への向き合い方をまとめました。
ほかの科目とどう並行させて、1日の中にどう組み込んでいたかは、こちらのnoteに書いています。気になる方は参考にしてください!
→ 【逆転合格】学年下位10%から薬剤師国家試験273点|必須・理論・実践の進め方を公開
Xで国試の勉強のことや、薬剤師になってからの日常を呟いてます。よかったら覗いてみてください!
→ @yakugakulabo

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